現代の出産について

皆様は選択的シングルマザーという言葉を目にしたことはありますでしょうか?
「選択的シングルマザー」という言葉は、アメリカの心理療法士ジェーン・マテスが1981年に提唱したものです。ジェーン・マテスは自著【シングルマザーを選ぶとき】を出版しています。
近年日本でも著名人が選択的シングルマザーを発表し、選択的シングルマザーという概念に注目が集まっています。選択的シングルマザーとは、結婚はしたくないけど子供が欲しい女性や、事情があって結婚はできないけど子供は欲しい女性などがパートナーとの子供を妊娠出産し、一人あるいはパートナーや周りの信頼できる人と一緒に育てていく女性のことを指します。別居婚や事実婚なども一部これに当てはまるかもしれません。
なぜ選択的シングルマザーを選ぶのか、日本での選択的シングルの高まり

選択的シングルマザーを選ぶ理由は人それぞれです。例えば、子供を自分一人で育てたい場合や、パートナーとして信頼できる相手に出会わないまま出産のタイムリミットを感じてシングルマザーを選択するケースもあります。令和3年度の厚生労働省の*【令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要】によると、未婚のシングルマザーの割合は1993年の4.3%と比較して2021年時点で10.8%にまで増加しています。この背景には以前の日本社会と違って、今では日本大学進学率も増加し、女性も社会に出て働くことが当たり前の時代になりました。それに伴い、男性に頼らなくても充実した家計を形成し、子供を育てていくことができるようになったことが考えられます。また、生殖技術の進歩により、精子提供を利用して子供を持つことが可能になりました。インターネットや医療機関を通じて信頼できる提供者を見つけ、子供を持つという方法が選択肢として広がっています。精子提供により、遺伝的な多様性や健康な子供を持つことができ、選択肢が増えています。
まだ馴染みがなく考え方として浸透していないため、人の目が気になる女性の方も多いかと思います。しかし、日本は海外と比較して福祉も充実した国ということもあり、実は日本は選択的シングルマザーという生き方を選びやすい国なのです。育児休暇や児童手当、保育所の利用など、育児に必要なサポートが提供されています。また、地域によってはシングルマザーのための相談窓口や支援団体もあり、心理的なサポートや子育てに関する情報提供が行われています。こうした支援が選択的シングルマザーを後押ししています。
公表している著名人
最近は選択的シングルマザーを公表している著名人や、一般人でも精子提供を受け選択的シングルマザーになる方も増えています。例えば、日本では何人か公表しているだけでも
(敬称略)
藤井リナ、最上もが、沢田亜矢子、遠山景織子、華原朋美、山下久美子、浜崎あゆみ、桐島洋子、安藤美姫、道端カレン、椎名林檎、萬田久子、浜田ブリトニー、俵万智
等、数多くの方々がいらっしゃいます。また、海外では、
ミンディ・カリング、キャリスタ・フロックハート、クリスティン・デイヴィス、サンドラ・ブロック、ダイアン・キートン、シャーリーズ・セロン、シェリル・クロウ、イーディ・ファルコ、ジャニュアリー・ジョーンズ、アンバー・ハード
等々、海外でも公表しているだけでも数多く選択的シングルマザーになった人がいらっしゃいます。以前の日本での価値観だと考えられない選択肢ですが、選択的シングルマザーという選択ができる自立した女性は今の時代だとかっこいいかもしれません。私はこの活動で、経済力にそこまでの自信がないけど選択的シングルマザーを希望している方や、経済力は十分だけど子供に十分にお金をかけてあげたいという選択的シングルマザーの方、パートナーはいるけど子供が欲しいという方、様々な希望を持った全ての方に、養育費付きの提供活動を行っております。基本はご自身の経済力で育てつつ、お金のかかる大学や勉強、スポーツをさせてあげたい、小さいうちから海外に留学させてあげたい、経済力に自信はないけど養育費支給の下でなら育てられそう等、様々な希望を持った方から日々相談を受けています。
海外と日本の違い

海外では、社会が選択的シングルマザーを受け入れる風潮が強まっています。アメリカでは調査に回答した78%の人がシングルの家庭を受け入れると答えており、選択的シングルマザーの増加を反映した結果といえます。一方で日本では選択的シングルマザーに対する理解があまり得られていません。これには科挙文化及び儒教文化が深く影響しています。科挙とは、中国で行われていた試験であり、現代で言う国家公務員の試験です。簡単に言えばこれに合格することが当時の中国ではエリートへの道とされていました。日本は当然中国と深い結びつきがあり、科挙・儒教文化圏の国の1つでした。各国の婚外子比率を見てみると、科挙・儒教文化圏である日本と韓国は極端に少ない結果が出ています。
日本を含むアジアは儒教文化の影響を深く受けています。儒教の家族観とは、家族は社会の基本単位とされ、家族間の関係を厳格に守ることが求められています。儒教の教えでは制裁の子供が正統な後継者であり、婚外子は儒教の血統の純粋性や家系の継承を重視する儒教の教えからはみ出てしまう存在であったため、社会的に低い地位にいました。
これらの影響は現在ではかなり解消されましたが、やはり儒教文化の残る日本では婚外子比率は少ないです。日本でも、婚外子が相続権やその他の権利において婚内子と比べて扱いが厳しく平等ではなかった時代が続いていました。
まとめ
日本の婚外子の権利は現在では改善されましたが、何となく、今でも結婚していない相手との子供と聞くと、違和感を覚えるという方もまだまだ多いかと思います。実際、この活動をしている中で「一人で子供を育てる」という選択はエゴだという違和感の声を目にしたことがあります。考え方は人それぞれですが、私はそれこそ前時代的な考え方だと思います。これだけネットが普及しどこでも仕事ができるようになり、女性が社会進出できるようになり、LGBTQの方々を含む様々な多様性が認められる現代では必ずしも出産に結婚は必要ないと思います。
私が行っている活動は、そんな現代社会で生きていく一人一人の女性に、安心して自分の送りたい人生を送ることができる支えになれるよう、サポートしていくことができると思っています。もちろん、提供は選択的シングルマザーの方だけではありません。様々な事情を抱えた方から毎日相談を受けています。できる限り寄り添い、人生のサポートをしていきます。そのために、精子提供だけではなく、その後の子供との生活も考えて、15万円の養育費を毎月お支払いしています。是非選択的シングルマザーを希望する方に自立した生き方を尊重する手助けや、事情があって子供は欲しいけどパートナーとの子供を望めない、でも子供を育てていきたいという方の背中を押せたら嬉しいです。